「俺……何してたんだ……?」


片手で顔を覆い、打ちひしがれるワリ。


「やっと気づいたみたいね……」


苦笑気味にワリを見下ろすルイコの隣にはマリ。
4人全員がホールに揃っていました。


「俺、確か、キノをとっつかまえた後に、なんか五円玉みたいなゆらゆらのやつ見せられて……」

「さ、催眠術!?」


ルイコはひたいと拳と体中に青筋浮かべました。

にしても五円玉みたいなゆらゆらのやつて。ワリ語彙少なっ。


「あいつかよ……」


呆れた声を出すヨシくんですが、やはりほっとした様子。


「許せないね……」

「あんの腐れキノコ……」

「あのエノキダケ!」


エノキダケに失礼です。
普通はマッシュルームとかです。


「覚悟しやがれ!」


男勝りなこのセリフはもちろんルイコ。


この後、校舎中にマッシュ……キノの声が響き渡ったことは言うまでもありません。