「やっべー! 遅刻するっ!」


大急ぎで家を飛び出すマリ。
起きたら、なんと2時半でした。

前夜にコーディネートした服を着るわけでもなく、超特急で兄弟公園に向かうマリ。

その時、はっと気がつきました。


(そうだ……! ヨシ君は、私の寝坊癖を見越して、3時なんて中途半端な時間に待ち合わせをしてくれたのね……!)


物凄い思い込みで、ヨシ君の好感度だだ上がり。
実際は、どうなんでしょうか。


「ごめえんっ! ま、待ったっ?」


なんとか間に合い、息をきらしながらヨシ君に尋ねるマリ。


「い……や……お、俺も、来た……とこ……」


あれ? ヨシ君も息きれてない?

それもそのはず。ヨシ君が3時に待ち合わせ時間を設定したのは、自分が寝坊するのを見越してのこと。
要は自分が起きそうな時間に決めただけ。

どんまい、マリ。


「はあ。んじゃ、行こうか」

「え、あ、うんっ」

「……で……ね……やっぱ……」


照れつつも二人が歩き出した時、茂みの向こう側から、聞き覚えのある声が聞こえました。