「まぁー多分、なんか変な薬盛られてんね」 男の手が私に向かって伸びてくる。 突然のことに大げさにも ビクッと揺れた私の肩。 「フッ、そんな怯えなくていーのに。今日は何もしないし」 男はおかしそうに笑って、 その手は止まることなく 顔にかかりっぱなしだった私の髪を耳にかけた。 相変わらず暗くて男の顔はよく見えない。 そもそも今日は、ってことは また別の日に何かあるってこと? じゃあ何のために私を?