「父さん、母さん。いつかきっと笑顔で会おうね?」


「もちろんよ。それまで頑張るわ。…泣き虫な瑠依をよろしくね」


泣き虫って言っちゃってるし。


瑠依、首を一生懸命横に振って否定してるじゃん。


「依亜も危ない仕事をしているんだ。気をつけるんだぞ?」


父さんの言葉に、口の端を上げる。


「私は月影。最強で最恐と言われている狼鬼の総長。その名はダテじゃないわよ?」


もちろん、ダテなんて言わせないけどね!


「そう言う事じゃないんだけどな…」


「依亜は鈍感ですから」


「鈍感じゃないよ!…じゃあ、元気でね」


頷く2人を見てから、組員に合図をする。


組員に連れて行かれる2人を瑠依は寂しそうな顔で見つめていた。