「ここには伝説があるんだ」


「伝説?」


ここにそんなものあったっけ?


聞いたことないけど…。


ていうか、史音が伝説を知っているのに驚きですよ。


噂とか気にしないから余計に。


「ああ。観覧車に乗り、てっぺんでキスすると、ずっと一緒にいられるらしい」


「きっ!?」


キス!?


しかも頂上とか…。


ありきたりだよねっ!?


突然の史音の言葉に、さすがの私も目が見開くくらいの驚き。


「で、でもさ?伝説って嘘のやつとかもあるよね?」


ほら、よくお客さんを増やそうとして流す嘘!


「いや、その伝説、あながち嘘ではないんだ」