「紫苑…?」 私が呼び掛けると、少し身体を離されて顎を持ち上げられ、紫苑の顔が近づいてくる。 ゆっくり目を閉じると、唇に柔らかいものが触れた。 「ん…。」 短いキスだった。 「またな、梨穏。」 「……うん。」 私は家に入っていった。