昼間は隙あれば話しかけ、弁当も一緒に食べた。
帰りは彼女の部活が終わるまで待ち、一緒に下校。
行きは彼女の家まで迎えに行き、一緒に登校。
休みの日は必ず遊びに出かけた。
食べ物やアクセサリー、全て奢った。
彼女のためだけにバイトをして、お金を貯めた。
俺がプレゼントしたモノを身に着ける彼女は、凄く美しい。
どうしてそんなに美しい?
彼女の都合で遊べないときは、必ず2時間は話し込んだ。
彼女の笑い声が電話越しに聞こえるだけで嬉しかった。
彼女の話すくだらないことが好きだ。
数日後、俺は彼女がリーダーらしい女子4人グループに囲まれた。
彼女は心底楽しそうにニタニタ笑っていた。
「津くんさ、舞衣(まい)が嫌がっているの、気が付かなかったの?」
「嫌がる・・・?」
「津くんさ、舞衣が嫌がることばかりしているじゃん。
長時間電話したりさ、束縛したり。
舞衣が何も言わないからって、良い気になっているの?」
「束縛?
嫌だなぁ、何言っているんだ?
舞衣はいつも笑っていたよ?
嫌がっているわけないじゃん」
「・・・。
呆れた、こいつ。
顔だけじゃん、良い所。
舞衣、言ってあげなよ」
「わかったよ・・・」
舞衣はめんどくさそうに溜息を吐きながら、俺に言って来た。