「えーっ!?」
あたしの話を聞いて、葉子と智里は大声を出していた。
あたしは周りを見回し、
「しーっ!」
唇に手を当てる。
誰かに知られたらマズい。
奏なんかと噂になりたくないよぉ!
「それでそれで!
中谷はどうだったの?」
「え?」
「奴は上手いの?」
「上手いってもんじゃなくて……」
妄想モードに入るあたし。
いつもは無愛想で、眼鏡を外すとキレキャラに豹変するけど……
でも、優しかった。
あたしを包み込んでくれるようで、だけど激しく力強くて。
あたしの身体がおかしくなってしまいそうだった。
「ヤバいな、中谷」
智里がニヤニヤ笑いながら言う。
「中谷なら出世間違いなしじゃん!
早く結婚しちゃえ!」
葉子もそんなことを言うけど……
「付き合ってもいない」
あたしは震える声で言っていた。
「あたしは……セフレだよ」



