「篠山!大丈夫か?」




海崎さんの声ではっと我に返った。

あたしは馬鹿だ。

とうとうデスクで寝てしまったのだ。

それもそのはず。

あいつのせいで、ほとんど寝られなかった。





あたしは、斜め前のデスクを見る。

そこには、何事もなかったかのように無表情でパソコンを見つめる奏がいた。




くそ……

なんであたしだけ……!!





「すみません。少し疲れていて」




あたしはそう言って、海崎さんに笑いかける。

海崎さんは心配そうにあたしを見た。