家に帰り、シャワーを浴びた。 奴の記憶を全て消してしまいたかった。 だけど、あたしの身体はまだ奏を求めるかのように火照っていて。 そして、奏の余裕のない顔が蘇る。 身体に残された紅いキスマーク。 それが、夢ではないことを物語っている。 切なくて寂しい。 そして悔しい。 だけど…… 抱かれている時は幸せだった。 奏がいれば、他に何もいらないと思えるほど。