中谷の顔。
間近で見ると、すごく綺麗だ。
微かに膨らんだ涙袋、
自然な眉に、
ほっそりとした鼻。
そして、切れ長の少しつり上がったその瞳。
瞳が綺麗で、胸がきゅんきゅんして。
中谷の瞳から目が離せなくなる。
「煽ってんのかよ」
中谷はそう言って、あたしの手に指を絡ませる。
そこから電流が走り、身体中を甘く刺激する。
引き寄せられるように顔が近付き……
唇を重ねていた。
軽いキス。
触れるか触れないかのキス。
それが、どんどん激しさを増していく。
身体が熱くなって、とろけてしまいそうで。
息もできないほど苦しくて。
隅々まで中谷で埋めつくされるようで。
吐息が漏れた。
やっとの思いで離れた唇。
中谷は妖艶な笑みを浮かべ、あたしを見た。



