は……はぁ!?
何があっそだよ?
こいつは、デリカシーがないのだろうか。
こう見えてもあたしは女の子。
真夜中に女性を一人で歩かせるなんて!!
だけど……
だけど、送ってもらうことも、たいして期待していなかった。
恩を売られても困るし、あたしの家を知られるのもごめんだから。
鞄を持ち立ち上がるあたし。
そんなあたしの手を……
中谷は優しく引く。
思わず中谷を見た。
中谷は微かに紅くなって横を向く。
珍しいな、中谷でもこんな顔するんだ。
胸がきゅんと鳴って、もっともっと困る中谷の顔が見たくて。
引き寄せられるように、あたしは中谷の前に座り込んでいた。



