奏と呼ばれた男が話を続ける。 「あの馬鹿も呼ぶのか?」 「あー、彼は呼んだら確実に来るけど、ギャラリーがね……」 「でも、慎吾はあの馬鹿がいないと本気出せないだろ?」 奏と呼ばれた男はそう言って笑い、煙草に火を点けた。 その声を聞けば聞くほど、中谷に似ている。 まさか、本物!? それにしても嫌な男だ。 仕事でイライラさせるだけじゃなく、あたしの大ファンの酙とも仲良しだなんて! 許せない!!