「あっ……
ありがとうございます!!」
思わず頭を下げていたあたし。
そんなあたしを見て、海崎さんは優しげな笑みを浮かべた。
「ここのところ、篠山参ってたからね」
「え?」
「上手くいって良かったよ」
「えぇ!?」
海崎さん、知っていたの?
あたし、もしかしてどんより空気を作って、職場の雰囲気を乱したりしたのかな?
「まだまだですねぇ、私!」
あたしは笑顔で頭に手を当てた。
「確かにヘタれていましたが、まだまだ頑張れますよ?」
「そっか」
海崎さんは何だか心配そうな顔を向けてくれる。
最悪な後輩がいても、海崎さんみたいな優しい先輩もいる。
あたし、決して恵まれていない訳じゃないよね?
篠山柑奈、まだまだ出来る!



