むっかぁ~!!
あたしの頭に血が上る。
でもそれを押さえ、あたしは震える声を発していた。
「ありがとう……」
中谷な少し驚いたように、目を大きくする。
「昨日……作業着……」
おどおどして、マトモに喋れないあたし。
ただ乱暴に中谷に作業着を突き出していた。
中谷はあたしから作業着へと視線を移す。
そして……
少しだけ笑った。
……笑った!?
再びその顔に釘付けになってしまう。
細められた切れ長の瞳に、そして少し上がった口角に……
不覚にも、ドキドキしてしまった。
何してんだろ、あたし。
相手は大っ嫌いな中谷なのに。
あたしは口をきゅっと結んで中谷に作業着を差し出す。
無言で中谷がそれを受け取った。
指の先が微かに触れ、思わず身を引くあたし。
ただ、鼓動だけが相変わらず鳴り響いていた。
あたしの身体……
おかしい。
中谷なんて、大嫌いなのに!



