「え……」
何言ってんの、奏?
海崎さん?
関係ないよ。
だって海崎さんは先輩だよ?
あたしの悩みを聞いてくれる、優しい先輩だよ?
「分かってねーな」
奏はそう言って、少し拗ねたようにあたしを見る。
そのいたずらな表情にやられてしまって。
もっともっと色んな奏を見たいと思う。
「柑奈」
名前を呼ばれ、全身が震えた。
鼓膜が甘く振動する。
「海崎さん、お前に気があるぞ?」
「まさか……」
「鈍感だな。
見てるこっちがヒヤヒヤするっつーの」
そう言って、奏は余裕ねーなと頭を押さえた。
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