そう思ったが…… 現実は上手くいかない。 悲鳴を浴び、次々とシュートを決める奏。 あたしはどれだけ頑張っても奏を超えることなんて出来ずに、屈辱の時間が過ぎる。 「すげーな、あの女」 「男相手にあそこまでよくやるよ」 なんて言ってくれる人もいる。 だけど、完全に負けているあたしには、何の慰めにもならなかった。 仕事でも負けた。 恋愛でも負けた。 そして、あたしが最も得意としているバスケでも負けた……。