「それにしても、見かけによらず、いい男だね」 海崎さんの手を握りながら葉子が口を開いた。 そして…… 「さすが。柑奈が目を付ける男は違う」 その言葉に青ざめた。 葉子…… 何でそんなこと言ってしまうの!? よりによって、海崎さんの前で。 「な……何言ってんの?」 あたしの声は震えていた。 「あたしはあんな男……」 あんな最悪な男…… 諦めたくても、諦めきれないよ。