「葉子ちゃん。 終わったらご飯行かない?」 そう聞く男性に、 「あなたが優勝したら、行ってあげる」 魔性の笑みを浮かべる葉子。 男性は顔を真っ赤に染め、頑張るぞと力を込めた。 「男子って単純ね」 余裕の葉子。 あたしは、そんな葉子をぼんやりと見つめた。 男子って単純か…… 奏も単純だったらいいのに。 あたしは、奏の考えていることなんて何一つ分からない。