あぁ、どうしよう。
また、最悪な出会いかたをしてしまった。
一回目は居酒屋で。
酔っ払って倒れた。
二回目はこの前。
吐き続けるあたしを、酙は看病してくれた。
そして、三回目は今日。
奏の家から大声で怒鳴りながら飛び出す。
あたし……
変人じゃん。
酙は驚いたようにあたしを見た。
奏とは違い、穏やかでいい人オーラ満載だ。
同じ人間とは思えない。
「あ、この前の……」
酙が口を開いた時……
「慎吾、来てたのか」
奏があたしの後ろから顔を出す。
すると、
「うん。ちょうど通りかかって。
頼まれていた漫画の続き持ってきた」
「サンキュ」
奏はそう言って笑顔で酙を見る。
何だよ、奏、あたしといる時より、酙といる時の方か楽しそう。
それに、あたしに向かってあんな顔で笑ったりしない。
胸がちくりとした。
そして、察した。
あたしは友達以下の存在なのだと。
酙と話す奏は楽しそうだけど、あたしと話す奏は面倒そう。



