一人で気合いをいれるあたし。
あたしは本気でやってやる!
テキトーにしていて驚くなよ?
あたし、バスケ、本当に得意だからさ。
そんなあたしを奏は顔を歪めて見た。
相変わらずその綺麗な顔が台無しだ。
そして、
「こんな所で、仕事の話なんて吐くな」
なんて言い出す始末。
究極の自己中だ。
何も、仕事の内容の話をしているわけではない。
あたしは、球技大会の話をしていたのに。
「お。もうこんな時間」
奏はわざとらしく時計を見上げる。
あたしも釣られて時計を見ると、時刻は十時前を指していた。
「お前も女だからな。
もう帰れ帰れ」
奏はそう言って、犬でも追い払うように手であたしを振り払う。



