「そんな篠山には申し訳ないけど、今年の球技大会、篠山と中谷に出てもらうよ?」
「えっ!?」
なんで……
なんでそうなるの!?
球技大会とは、各部署、各フロアごとに選手を出して、ソフトボールやらバレーやらをする大会。
基本的に出るのは若者の役割で。
あたしはこれまで五回出続けてきた。
そして、今回が六回目。
もういい加減勘弁して欲しい。
しかも、奏も出るなんて。
「今年はバスケだって」
バスケか……
ピクリとした。
もしかして、これはあたしに訪れた、最大の逆転チャンスかもしれない。
あたしは中高とバスケ部。
高校ではキャプテンもしていた。
男子に混ざって練習するほどの体育会系女子だったのだ。
バスケで奏を蹴散らして、悲鳴を上げさせてやる!
とうとうあたしの時代がやってきた!!



