「いやー、篠山、今日中谷にぶっこんだな!」 昼休み、海崎さんは楽しそうに笑っていた。 「本当のこと言っただけですよ」 あたしは不貞腐れて、口を尖らせた。 そして、ちらりと奏の席を見る。 すると、奏は席を外しているようで、少しホッとした。 陰口を言うのはよくない。 いや、奏の悪口自体良くない。 でも…… いつも虐げられているあたし。 時には反撃してもいいよね。 「はは。篠山、本当に中谷のこと嫌いだね」 「ええ……そりゃ、もう……」 そう言いつつも、心がちくりとした。