「昨日の罰だ。
タクシーにも乗車拒否されて、俺はお前の汚物にまみれながらお前を背負って歩いた」
奏は思い出すのも嫌なように顔を歪める。
「何回か道に放置してやろうかと思った」
そりゃ、そうだよね。
あたしだって嫌だよ、酔っ払いを背負って歩くの。
それなのに……
文句を言いながらもあたしを持ち帰ってくれた奏の優しさに、きゅんとしてしまう。
口は悪いけど、行動はすごく優しい。
「ありがとう」
あたしは顔を歪める奏にそう言っていた。
だけど、奏の口からさらなる驚愕の事実が聞かされる。
「俺の家まで遠くて、歩くのは無理だった。
だから、慎吾に電話した」
「え?」
凍りつくあたし。
なんで……
なんでここで酙が出てくるの!?



