奏の唇が近付き……

あたしの唇に軽く触れた。

ピリッと電流が流れた……




が……






「うわっ!くっせー」




露骨に顔を歪める奏。




「お前臭ぇ。

早く風呂入って歯磨け!!」




あたしはバスルームへと押し出される。




あぁ……

ムードない。

あたしが悪いんだけど、奏もデリカシーないよね。




そう思ってみるものの、やっぱり奏に汚いとか臭いとか思われたくなくて。

二度と深酒は止めようと思った。






すっごいウザい。

自信家だし、自己中だし。

だけど、本気であたしを怒ってくれる。

奏はあたしの大切な人。