奏はそのまま乱暴に洗濯機の蓋を閉め、あたしに背を向けた。 怒るのは当然だよね。 酔っ払いの世話なんて、したくないはず。 「ごめん……」 思わず謝っていた。 「ごめん。 飲み過ぎて、また迷惑かけて……」 「ひでーな。 部屋の中、お前のゲロまみれ」 奏はそう言って、あたしに向き直る。 その瞳が…… 恐ろしく怖かった。 怒りに満ちた獣のようで。 食い殺されてしまいそう。