「柑奈、大丈夫?」 不意に扉が開き、顔を出す男性。 歳の割には幼げで、くりっとした瞳が愛くるしい。 まるで小動物のような彼は、中谷への怒りに燃えるあたしの横に腰を降ろした。 「貴哉(たかや)、ごめん」 あたしは呟いて煙草をくわえる。 そんなあたしを、貴哉は心配そうに見た。 「柑奈、禁煙したんじゃなかったの? 同期として心配だよ」 そう言いながらも煙草をくわえる貴哉。 あたしは無言で貴哉の煙草に火を点けた。