奏は表情一つ変えずに彼女たちを見ていた。
この無表情のままがぶりといくのが奏流だ。
だから……
「すみません」
その言葉に、思わず奏を凝視していた。
奏は相変わらずの無表情で続けた。
「僕、飲みとか苦手なので」
え……えぇ!?
酙と楽しそうに飲んでたじゃん!
しかも、見たところによると、中々の酒豪じゃん!
「えー。
じゃあ、ディナーでもいいですよぉ?」
そう言った女子に、
「約束がありますから。
夕飯を作ってもらう」
奏は無愛想に答えた。
どきん……
胸が痛い。
夕飯を作ってもらう約束って……
まさか……



