そう。
いくら本気になっても、向こうは遊び。
そんなことは分かっている。
それにあたしだって……
「柑奈はそれでいいの?」
葉子は綺麗なネイルの付いた指を合わせながら、あたしに言った。
いいよ、奏なんて大嫌い!
お互い、快感のために抱き合っただけじゃん!
奏が他の女を抱いても……
他の女をあんな顔で見ても……
「あたしは……」
あたしには、関係ない。
だから、
「セフレでいい」
分かってるよ。
魅力がないことくらい。
それでも時々寂しくなる。
そういう時に、都合よく身体を重ねることが出来たらいいんだ。
「ふーん……あたしは分かんないな」
智里はそう呟いた。



