イジワルなキミの腕の中で



濡れて帰って風邪を引くとか、テスト前の大事なこの週末には避けたい事態。



「俺んち来る?傘なら貸すし、風邪引いたら困るだろ?」



窓を見つめながら呆然としていると、航希先輩のそんな声が聞こえた。



ど、どうしよう……っ。


玲奈には行くなって言われたけど、傘をかしてもらうだけだし


いいよね?


そうだよ、傘を借りるだけだもん。


変なことをするわけじゃない。


受け取って、すぐに帰ればいいだけの話。


そこまで構える必要なんてないよ。



そう思いながら、先輩の部屋まで雨を避けながら走った。