「ごめん、リズ。もうくたびれた。身体も痛いしね。話の続きは今度でもいいかな?」
「わかったわ。その、お大事に……本当に、ごめんなさい。怪我のこと」
もう寝てしまったようで、彼からの返事はなかった。エリザベスはダスティの目をさまさないようにそっと病室を出る。
扉のすぐ外には、パーカーが立っていた。
「お帰りになりますか。お嬢様?」
「……ええ、戻るわ」
エリザベスは、パーカーの方は見向きもしなかった。
懐中時計をあきらめるべきなのだろう。ダスティにもロイにも怪我をさせるような事態になってしまったのだから――けれど、迷う心を捨てることはできなかった。
メモに書かれていた日付までは、二週間。その間にどうするべきか決めなくては。エリザベスは、帰りの車の中でも上の空だった。
屋敷に着き、玄関の扉を開こうとエリザベスの前に立ったパーカーは、珍しく厳しい声音で言い放った。
「お嬢様、これ以上、危険なことに首を突っ込むのはおやめください」
返す言葉もなく、エリザベスはうつむく。自分のせいで何人にも怪我をさせた。それは否定使用のない事実だ。
「今回は、いったい何人が怪我をしたと思っているのです? あなたも怪我をしたではないですか」
「……それは、そうだけど」
「わかったわ。その、お大事に……本当に、ごめんなさい。怪我のこと」
もう寝てしまったようで、彼からの返事はなかった。エリザベスはダスティの目をさまさないようにそっと病室を出る。
扉のすぐ外には、パーカーが立っていた。
「お帰りになりますか。お嬢様?」
「……ええ、戻るわ」
エリザベスは、パーカーの方は見向きもしなかった。
懐中時計をあきらめるべきなのだろう。ダスティにもロイにも怪我をさせるような事態になってしまったのだから――けれど、迷う心を捨てることはできなかった。
メモに書かれていた日付までは、二週間。その間にどうするべきか決めなくては。エリザベスは、帰りの車の中でも上の空だった。
屋敷に着き、玄関の扉を開こうとエリザベスの前に立ったパーカーは、珍しく厳しい声音で言い放った。
「お嬢様、これ以上、危険なことに首を突っ込むのはおやめください」
返す言葉もなく、エリザベスはうつむく。自分のせいで何人にも怪我をさせた。それは否定使用のない事実だ。
「今回は、いったい何人が怪我をしたと思っているのです? あなたも怪我をしたではないですか」
「……それは、そうだけど」



