少年陰陽師 奥州平泉奇譚

「あいつは、雨が降るのをずっと待ってたんだ」




「わけわかんないこと言うな!

……早く連れ戻さなきゃ、ヤバいだろう!」




「あいつの気の済むまで好きにさせてやって」



「おい! そこ窓閉めろよ」



険しい声がとぶ。




八雲や漣、寮生には迷惑だったろうけど僕には、そんなことを気にする余裕なんてかったんだ。




僕は雨の中、天を仰ぎ両手を高く掲げた。





乾いた喉、乾いた体を潤し、ずぶ濡れになり、祈るように天を仰いだ。




『祐、貴方には辛い思いをさせていますね』



微かに聞こえる優しい声。