少年陰陽師 奥州平泉奇譚

「雨だ!」




煙るように降る雨で数メートル先も、まともに見えない。




僕は、逸る気持ちを抑えきれず、勢いよく窓をあけた。




「おい、バカか!

雨降りに窓を開ける奴があるか」




寮生が、思い思いに苦情を浴びせるけれど、僕は雨の中に身を踊らせた。




「あのバカ……何やって」



漣が、慌てて窓に駆け寄ったが八雲が漣の手をぐいっと掴んだ。




「漣、止めないでくれ」




「バカ言え!この雨の中、放っておけるか」



漣が、冗談じゃないという顔をする。