海が静まっていた。 さっきの多荒れが嘘のように静まっていた。 「海神(ワタツミ)はあんたかもしれんね」 なんと、森野蒼がそう言って、面白そうに笑ったのだ。 アーモンド型の綺麗な目が笑うと、きゅっと細くなる。 その笑顔を見たのを最後に爽の記憶は途切れた。