彼女が笑えば、世界は色づく。





東京という言葉には反応した、ように見えた。


少しの間を置いて


「東京は広い?」

と尋ねた。








彼女の声は、あまりにも凛としていて




透き通っているようだ。





「は?え、あー、面積?だと、こっちのほうが広いよ」



一瞬テンポが遅れながらも、何とか返事を返す。



爽の答えに、彼女は少し目を瞬いて



「そう」



と言って、少し笑ったように見えた。


ほんの一瞬だけど。