彼女が笑えば、世界は色づく。





篤人は誰もいない、森野蒼の席を見つめた。



「森野さん、戻って来るかな」




「さあな。どっかでサボっとるけ、また次の授業は出てくるんちゃうか?多分屋上におるやろし」





そんな篤人の言葉とは裏腹に、次の時間も
またその次の時間も、森野蒼は教室に来なかった。