彼女が笑えば、世界は色づく。





「昔はそんなんじゃなかったけどなあ~。噂が立ってもうて」


少し声を落として、爽の耳に近寄った。



「噂があっても、最初は来てたでぇ。でも、噂がだんだん酷くなってきてからは来られんようになってしもうた」




俺も同罪じゃ、と呟く。



「なんで篤人が悪いんだよ?」




「小学校からの幼なじみやのに、全然力になれんかった。俺が庇ったら、逆にそれをまた、男たぶらかせとるとか言うて、噂に火をつけてな」



困ったように笑って



「俺、役立たずやけんのう」