彼女が笑えば、世界は色づく。






少しの沈黙のあと、森野蒼は一度瞬きをした。



「さぁ、覚え、ない」




それだけ言うと、黒板の方へ向き直って
ノートを写し始めた。





すると、静まり返っていた声がガヤガヤと復活しだす。
   


「ちょっと、爽!」



篤人に廊下へ引っ張られる。