皆の視線が自分に集まっているのが分かる。 「はあい。この間話した転校生だ」 カッカッカッと黒板にチョークで、爽の名前を書いた。 「見崎爽君だ。自己紹介するか?」 あ、はい。と震える声を何とか出して、前を向いた。 「見崎爽です。東京から来ました。 ずっとサッカー部に入っていて、ここでも入りたいと思っています。よろしくお願いします」 皆がヒソヒソと何か話すが、あまり聞き取れない。 『東京』『転校』 とワードは何とか聞き取れた。