じゃ、親父んとこ行くわ」
勝吾くんは、私の頭をポンポンなでながら立ち上がった。
「親父さん?」
勝吾…帰るの…?
「あれ?知んねぇの?」
え…?
「俺の親父、医者」
得意そうに、ピースしながら勝吾は言った。
峯崎先生って…
「まさか…!」
「峯崎っていう医者が俺の親父」
「わ…私の担当医師だ」
「はははっ、すげぇ偶然!!
てかだいぶ落ち着いたみてぇだな」
「うん!ありがとう勝吾…」
「べ、別にどーってことねぇよ。…じゃーまたな」
照れて顔を掻く仕草、今も変わってないんだね…―。
勝吾の後ろ姿に
「ばいばい!」
叫ぶと、こちらを見ずに手を振り返してくれた。
こっち向かなくてもわかるよ。
今、勝吾、顔赤いでしょ。
…耳まで真っ赤だもん。
…そろそろ、帰ろう。

