泣かない、決めたはずなのに結局泣いてしまった。
何やってんだろ、私。
………。
長い沈黙の後、勝吾くんは口を開いた。
「……バスケは…いつからやってたんだ…?」
え…?バスケ…?
「…小学3年から。…4年でレギュラーになった。でも関東で2位だった。」
関東のファイナルは1点差だったんだよな…。
「…もっと詳しく。てか全部。」
「全部…?」
「なな子のバスケ人生を、全部聞かせろ。」
「うん…。5年の時は副主将として、6年の時は主将として全国で優勝した。」
「それで海聖中に?」
「…うん。あの頃から男女バスケ超強豪校だった、海聖に選抜されて入学した。」
「知ってるぜ。1年でレギュラー。天才PGで主将の候補にもなってた…100年に1人の逸材、”天帝の子”だろ?」
「クス…周りからはそう呼ばれてたかも。その呼び名はあんま好きじゃないけど」
「かっこいいけどなー」
”天帝の子”なんて、みんな大げさすぎるよ。
「はははっ
…でも。…中1の全中後、この病気だとわかって…」
「それで、中1の秋からは男バスのマネージャーに?」
「うん。バスケにどうしても関わっていたかった。
マネージャーになる前は、現実を受け止められなくてかなり荒れたけどね。
今は落ち着いてる。
けど、バスケが何より好きだった私には、あまりにも辛かった」
心配そうな顔で、勝吾くんは私を見ている。

