キミが笑えるように











勝吾くんは…



私が部活を休むって言うと、いっつも心配してくれたなぁ…。





…って!!バカか私は!





……勝吾くんは…今海外だよ?


海の向こうにいるんだよ?



前まであんな近くにいたけど。



今は手の届かない人。



連絡先は知ってるけど、時差の事考えるといつ電話していいのか全然分かんないし。



しかも私、”元カノ”だよ?


今、すっごい美人な彼女がいたら…―。




…とか色々考えちゃって、なかなか連絡する気になれない。



久しぶりに、声だけでも聞きたいなぁ…。



勝吾くんのことを思い出すと、なんだか脈を打つ心臓の音がほんのちょっとうるさくなる気がした。








今日は帰り1人かー…。


でも…1人じゃなきゃ…行けないしね。



ウィーン…


自動ドアを抜けると、ひろーいロビーとたくさんの人が目に入る。


何回来ても慣れないなぁ…。



広すぎでしょ、ここ。人も多いし。





「ななチャン今日もきたの?」



看護師の莉子さんが、いつもと同じように声をかけてきた。



「…うん、ちょっとね」



私は、少しだけ肩をすくめながら言った。



「お大事にね。」


会釈して、莉子さんの横を通り過ぎた。




莉子さんは、場違いな香水のいいにおいがした。






私が来たのは……



―― "峯崎総合病院"