「勝吾っ…!」
突然、なな子が病室から飛び出してきた。
「そんなこと……言わないでよ…。先生は、悪くな――」
「―うるせぇよ、親子の話に首突っ込んでんじゃねぇ!」
―――あ…。
「そ…っか。そうだよね、ごめん…」
なな子は明らかに動揺していた。
「今の話聞いてたのか?」
「うん…聞くつもりじゃなかったん――」
「――でも聞いてんじゃねぇかよ。趣味わりいな」
なな子を見ると、目が涙で潤んでいた。
違う。言いたいことはそんなことじゃないのに…―。
「ごめん……」
なな子は俯くと、そのまま病室に戻っていった。
あぁ…。何やってんだ、俺…。
結局は、なな子を傷つけただけじゃねーか……。
「ワリィ。……帰るわ」
俺は、静かに言い残すと、そのまま病院を後にした。

