勝吾side
…ピッ…ピッ…ピッ…ピッ
――。
くっそ…。
なな子は、試合中に倒れ、そのまま救急車でこの親父の病院まで運ばれた。
今、なな子はこの扉の向こうで眠っている。
…正しくは、眠らされてる、か。
とりあえず、命に別状はないらしい。
…よかった…―――。
でも、それなら――
「なんで、倒れたりなんかしたんだよ」
俺は、親父に問いかけた。
返事がなかったから、別の質問をした。
「…なな子は、大丈夫だったはずだろ?」
「…だが、…状況が、変わったんだ」
親父は、言い訳のようなことを口にした。
「…はあっ?!…なんだよ、それ…」
状況が変わった?ちゃんと説明しろよ…!!
「こればかりは…しょうがないことなんだ」
また、言い訳かよ。
しょうがない?
医者だろ?
なな子の病気なんて…んなもん、治せよ…。