翌朝
久しぶりに、制服を着てリビングに行くと、お母さんがいた。
驚いたような、嬉しそうな、なんとも言えない顔をして私を見ていた。
「おはよ、お母さん」
「…おはよう…なな子…」
心配かけてごめんね。
私が部屋に閉じこもって、出かけたと思ったら朝まで帰らないから、心配してたんだよね…?
私、知ってたよ。
夜、1人で泣いてたこと。
ホント、ごめん…―。
「今日、海聖に行ってくるね。勝吾と一緒だから、心配しないで」
「わかったわ。…気をつけてね」
「うん。いってきます」
「いってらっしゃい!」
お母さんは、こんな私を笑顔で送り出してくれた。