勝吾は私から手を離して、向き合って座った。
「今までも、これからも…お前だけが好きなんだぜ?なのに忘れられっかよ。」
「私…だけ?」
「そ。…ずっと、好きなんだ。お前が、俺の初恋の相手で、最初で最後の彼女」
「最初で…最後」
「そ―ゆー事だ!俺にはお前…なな子しかいねぇんだ。だから死のうなんて考えるな。」
勝吾は深呼吸をしてから言った。
勝吾の顔を見た。
「…勝吾?」
「俺のために…俺だけのために…生きろ…!頼む…」
勝吾は…泣いていた。
目から大粒の涙をこぼしながら、勝吾は続けた。
「いいか?よく聞けよ、なな子」
そう言いながら、私の頭をなでる。
久々に聞く、愛しい声は私のその心にしみわたる。
勝吾の涙、言葉、仕草。
驚きと、悲しみと、愛おしさと、嬉しさでごちゃごちゃになって…声が出なかった。
「………」
「明日午前10時、海聖中学校の体育館に来い。」
「…?」
「あ、これは先輩命令だぞ。ぜってぇー来いよ?」
勝吾は、優しく、でも力強く言った。
でも海聖の体育館…?なんで…?
しばらくだまってると、勝吾は小さくため息をついた。
「…あー。なんか来なそーだから、迎えに来てやる」
「…なんで海聖なの?」
「…京たちに会いに行くぞ」
「京ちゃんに…?」
久しぶりだなぁ…。
京ちゃん、今じゃ主将だもんなぁ…。

