なな子side
え…?何…?今何が起きてるの…?!
さっき兄弟って言った…?
今目の前にいる笠松クンが笠松陽一だとすると…
電話で話した笠松クンは一体…?
「あの…笠松クン」
「ん?…あぁ、さっきはすまなかったね。というか…さっきはなぜ凌雅に電話を?」
「りょう…が…?」
「凌雅は、オレの弟だ」
弟…!?
「笠松凌雅。はぁ…。本当にデキの悪い弟でね。困るよ」
ちょっと待って…今目の前にいるのが笠松陽一で、電話で話したのは弟の凌雅…?
「そんな…」
嘘…。
「どうしたの?オレ達が兄弟ってことがそんなに意外かな?」
違う…。私が思ったのはそんなことじゃない…。
今まで私が、陽一クンだと思って一緒に過ごした人は…偽者だった…?
「凌雅は…笠松陽一として…高校生活を送ってるよ…」
私は、ぼそぼそと言った。
「笠松陽一として…?」
「今まで騙されてた…凌雅に」
「アイツ…オレの名前を使ってたのか…?」
「うん。私…ずっと凌雅を、陽一クンだと思ってた…」
「弟のせいで迷惑をかけたね。ごめん」
「ううん!陽一クンが謝ることじゃないよ」
「…ありがとう。呼び方、陽一でいい」
「分かった。じゃあ私は、なな子でいいよ」
陽一は黙って頷いた。
陽一が私に会いに来たっていうのは、本当だったんだね…。

