はぁ…。
あの日のコト…あんまり覚えてないな…。
ただ、”入院”という言葉だけははっきりと覚えていて。
死に近づいてる。そう感じた。
怖くもなく、悲しくもなく、苦しくもない。
ただ、呆然とするしかなくて。
入院なんて、今はじめてわかったことじゃない。
ずっと前から、この病気だとわかったあの日から、私は死を恐れながら…。
死に向かって生きてきたんだ。
分かってたんだ。死に近づいていること。
薬の量が増えるたびに、
”あぁ、死に1歩近づいた。”
そんなふうに考えるようになって。
「きっと、良くなるからね」そう励まされるたびに、
”また、近づいてる。死を怖く思わないように、大人たちは私を励ますんだ”
そう思っていた。
「外来、増やそうか」そう言われたら、
”死はすぐそこ”
そんな考え方をしていたら、
”入院という言葉は、私が死という名のゴールの目の前にいることを示す”
なんて思い始めるようになってしまった。
でも、私は間違っていなかった。
もうすぐ私はゴールすることになる……。

