なな子side
勝吾がこんなに変わった私にも、気付いてくれた。
迷うことなく駆け寄ってきてくれた。
嬉しかった。
すぅーっっっごく。
大好きなのにずっと会えなくて。
…まあ私が学校に行かなかったのが悪いんだけど…。
私を家まで連れていってくれて、嬉しかった。
なんでだろ…勝吾は、いつも辛いときに私を見つけてくれる…。
あの日も…学校があるはずなのに、私を見つけてくれた。
相変わらず優しいね、勝吾。
私が好きだって言ってたアイスティー。
好きな色も、映画も、音楽も、スポーツも。
全部覚えててくれてさ…勝吾は優しすぎるんだよ…。
「…なんで学校に来なくなった?」
勝吾の優しい声が部屋に響いて。
少しドキドキして。
私を見つめる、勝吾のアーモンド型の目を見て、さらにドキドキして…。
「そ…それは…」
言えないよ。
言ったら、迷惑をかけることになる。
今まで、私は勝吾に甘えすぎて、支えてもらってばかりで…。
ずっと頼ってきたんだよ…?
いつだって、勝吾の笑顔に元気もらってたんだよ…?
私は、勝吾に何かを貰ってばっかりだよ…。