「分からない…。最近はバスに乗ってなくて…僕、転校したから」
佐井山は、俺に笑顔を向けた。
…でもさっきとはなにか違う、どこかぎこちない微笑み。
「…わかった」
「じゃ、またね!愛、勝吾君」
…アイツ…本当にバスに乗ってないのか…?
自分で確かめれば早い話だけど、どのバスなのか、バス停が何処なのかすらわかんねぇ…。
聞いとけばよかった…―。
「とりあえず…帰ろっか。峯崎」
「だな」
――――!!
「ッッ…!」
俺と五十嵐が並んで歩いていたとき、俺は雷にうたれたかのような衝撃をうけた。
見間違いかもしれない。
ただ似ていただけかも。
…いや。
あれは確かに……―――
「峯崎?」
立ち止まった俺に気付いた五十嵐が、こちらを見る。
「…わりい!先帰っててくれ!」
そう言い残し俺は走りだした。
「ちょっと峯崎!!?」
五十嵐を無視し、俺は走った。
やっぱり…だ。
俺が見間違うわけないんだ。
いつも見ていたんだから…――。
「――――なな子!」

